Work
仕事の物語
静岡コンサルタントは
静岡県内の地域密着型の
総合建設コンサルタントです。
静岡コンサルタントは、実績に裏付けされた信用と信頼をベースに、あらゆるフィールドで質の高いサービスを提供しています。測量から調査、設計まで幅広く、社内で一貫して高いレベルの対応ができるため、様々な顧客ニーズにも十分応えられると自負しています。そして、どんな小さな案件でも相談に乗り、解決していきたいと考えています。
地域密着型の弊社は、機動力、迅速性、柔軟性に優れ、実際の現場で自分の目で確かめて手厚い対応ができます。災害時(道路、河川、法面崩壊等)にも迅速な測量・設計が実施可能な体制を常に整えているため、地域でも頼りになる会社として高い評価をいただいています。
橋梁設計(長大橋、耐震設計)において技術力は県内でトップクラスを誇り、近年はレーザードローンの活用や3D設計等、新しいデジタル技術を用いた測量・設計業務にも力を入れ、技術力に裏付けされた地域住民の目線での提案を行うことができる会社です。
また、労働環境の改善にも積極的に取り組み、外部機関と連携しながら、健康経営を推進しています。社員の働き方改革も進め、時間外労働削減、業務の効率化が進んでおり、より働きやすい環境を目指しています。
2代目社長の「健康じゃないと、仕事も遊びも充実しないよ」という言葉があり、健康経営と社是である「誠実」が会社経営のベースになっています。
Project
事業紹介
- # Project 01
- # Project 02
# Project 01[裾野市]栄橋
新設か補強か、
地域のために最善の策をプレゼンテーション
耐震性はもちろん河川の氾濫対策、
道路計画等あらゆる可能性を考え、新橋設置の提案を行いました。
静岡県裾野市の一級河川・黄瀬川に架かる「栄橋」は国道246号千福ICへ流出入する路線で緊急輸送路(第2次確保路線)も担っていました。既設橋は周辺住民にとっては必要不可欠な橋でしたが、昭和8年(1933年)に建設された橋ですでに80年以上が経ち、耐震性能の不足と老朽化は明らかでした。
また橋梁部分の河川は流れの幅が一時的にせばまっており、台風や大雨で水量が増した時に、橋周辺で急激に水かさが増える危険もありました。
実際平成19年(2007年)には台風による豪雨のため栄橋周辺が溢水し、周辺の居住地に浸水被害があり、その対策も急務でした。
Project Story
その古い橋は想像以上に多くの危険をはらんでいた
既設橋の調査を行って驚いたのは、竣工が昭和初期だったこともあり、橋脚が川底の地盤に固定されておらず、窪みにはめられているだけだったことです。また調査の結果、下流側橋梁の橋脚と橋台の躯体が無筋コンクリートで構築されていて、そのコンクリート内部には岩石が混入していて、隙間や亀裂が確認されたことでした。
私たちは新設と補強の両方の側面から比較検討し、耐震補強工事だけでは到底済まないと判断し、新しい橋の架け替えを提案しました。
架け替えにあたっては、浸水被害など地元の方の不安の声や周辺の現状も加味し、水位が上がらないような河川計画や、架橋の場所の選定、道路計画など、静岡コンサルタントだからできるそれぞれの専門部署と連携して、業務を進めることが必要と考えました。
地元の方はもちろん不特定多数の方が日々往来する橋が抱える、水害に対する不安を払拭することも私たちの大切な仕事です。
私たちの仕事は、日本の土台の一部を築く仕事
耐震補強の是非の判定に1年、架け替えに伴う川幅の拡幅などの調査に1年、現状の場所に架け替える場合と他の場所に架け替える場合の試算や道路ルートの選定などに1年、架け替え用地を決定するまでに1年を擁し4年目に入って初めて、どんな構造の橋梁をかけるのが良いかという橋梁予備設計にかかりました。そして形を決定した上で、細かな計算などを行う詳細設計にかかることになります。
また栄橋が架かる黄瀬川は富士山の溶岩流の川床上を流れる河川で、川を拡げるだけでなく、川の流れを良くするために川床を平らにする苦労や河岸や瀬に生息する希少種の保全なども考慮しながら、業務を検討していく必要がありました。
私たちの今回のようなプロジェクトは、たんに構造物を設計するにとどまらず、洪水の危険や道路の利便性をないがしろにせず、大切な税金によってまかなわれる公共工事においては、予算内でより良い提案を行うことが基本です。利用者の安全・安心を実現する有意義な社会貢献であり、一本の橋の架設からはじまる「“住み良い日本”の土台の一部を創りあげていく仕事」の具現にほかなりません。
しっかり時間をかけて、会社が有する総合力で立ち向かう
静岡コンサルタントは、橋梁はもちろん道路や河川、構造物、地質、測量などに部門が分かれていて、それぞれに優れた専門性を有しています。各部門を連携させて一つのプロジェクトをまとめ上げていきます。発注先に提案が受け入れられ、一つの成果として結実する。こうした醍醐味はかけがえのない、我々だけに与えられた仕事の喜びと言えるでしょう。
「この橋の耐震性は大丈夫か」という問いかけにはじまり、耐震だけでは無理があることを納得していただくために資料を作り、「ではどうすれば良いか」という問いにもっとも効果的で有意義な策を考え、提案する。その面白さは他のどの仕事にも引けを取らないほどの大きな魅力があると思います。当社が提案したこの選択は、未来にとって最善のものだったと私たちは信じています。それは静岡コンサルタント各部署の専門家の総合力で出した答えだからです。
栄橋は令和2年(2020年)3月に完成。住民の方々の新しい生活道路として新しい歴史を刻み始めています。
# Project 02[三島市、清水町]境川・清住緑地・丸池
水のまち・三島市と清水町の
湧水の回廊を繋ぐプロジェクト
美しい親水公園を創る仕事は、各行政や関係機関と協議し、
社内全部署を連携する新たなる試みとなりました。
富士山の南東麓に位置する三島市、清水町は、富士山に降った雨や雪解け水が街の各所に湧き出す、水と緑に彩られた街です。
この2市町を繋ぐ“水の郷構想”は豊かな水環境がもつ魅力や歴史、文化を最大限活用したまちづくりを進めるため、地域のみなさんや関係団体・行政が一体となって取り組んでいく指針となるものでした。
また構想を具体化した整備計画では点在する湧水の拠点同士のつながりを強化し、エリアの一体化を図ることが求められました。
Project Story
静岡県、三島市、清水町がともに目指す「水の郷」
境川は文字通り、三島市と清水町の境を流れる川です。この北側にある緑地帯「清住緑地」はトンボ博士として有名な朝比奈正二郎博士の別邸があったことでも知られており、地域との協働のもとビオトープ公園が整備されていました。
丸池は湧水を水源とする農業用のため池で、現在も清水町の東部地区の水田を潤すかんがい用水として重要な役割を担っています。
清住緑地は三島市が、丸池を清水町が、そして中央の境川を静岡県がそれぞれ管轄してきましたが、地元から隣接する養魚場跡地を活用した湧水公園を整備してほしいという声が上がり、静岡県が調整役となり市町らと協議し、「水の郷」をコンセプトとした拠点整備、豊富な湧水をいかした親水公園計画がスタートしました。三島市、清水町が土地を取得することが決定し、具体的に整備も進むことになりました。
私たち静岡コンサルタントは、平成27年(2015年)に設立された「三島市・清水町“水の郷”構想検討会」に事務局として会議の補助をさせていただき、清住緑地周辺の整備計画を、関係機関と連携しながら「水の郷構想」及び整備計画案の策定を担いました。
それぞれの水場の変遷を理解しながら、水の郷構想をまとめあげ、関係機関との協議を重ねて、遂にプロジェクトは設計までこぎつけることができました。
オール静岡コンサルタントで未知の事業をバックアップ
境川の護岸はコンクリートで固められ人工的な感じでした。そこで川の両岸を緩やかな傾斜の多自然型護岸とし、自然石などを使って自然の景観を作ることを目指しました。清水町側からしか見られなかった春の桜も、三島市側からも見られるようになりました。
三島市側では清住緑地の設計は都市計画部門が担当し、川を繋ぐ橋の設計は橋梁部門が担当しました。
また清水町側の丸池公園の設計に加え、車両の乗り入れをスムーズにする町道の道路設計、丸池公園のトイレ設置に伴う下水道の設計、丸池を回遊するボードウォークの地質調査・設計なども行いました。
最終的には三島駅からのルート整備事業として、広小路経由で当地まで続くルートの検討提案と案内看板のデザインと配置計画を私たち静岡コンサルタントが行いました。
本プロジェクトは整備事業の幅が広く、じつに多種多彩な業務が派生し、気づけば私たち設計2課をはじめ、測量・公園・橋梁・下水道・道路・地質調査まで、ほぼ当社業務を担う技術部署がすべて関わる大きな仕事となっていました。
地元に詳しく、専門分野を多く持つ静岡コンサルタントらしい、私たちだからこそ成し得たプロジェクトとなったと自負しています。
大自然の神秘を知り、学び、考え、調整管理できるまでに
構想の立ち上げ時の課題は「水をどう活かし、どんな公園にするか」でした。
しかしそこには額面通りには進まない、自然相手の難しさも存在しました。
近年湧出量が減り、新たな水の湧き間の開発や水量の確保は大きな課題でした。穴を掘り水が出るか地質担当と調査、試験を繰り返しながら、結果的に豊富な湧水の湧出を見ることができました。
現在は噴水のように自然に湧き出す湧き間が完成していますが、地中から湧く湧水部に土管を置き、被圧地下水の安定する高さを調節し、水量を決める時がもっとも細心の注意を必要としました。
令和2年(2020年)8月1日には養魚場跡地を活用した緑地、湧水展望デッキや手動式揚水ポンプ等、拡張部分が新たに加わりました。その後ボードウォークが完成し、「境川・清住緑地・丸池」は住民の憩いの公園として、利用されています。
この整備業務は各行政をはじめ、NPOや専門家、地域の方々と協議を重ね一体となって遂行した新しい形の業務であり、弊社としてもとても貴重な経験となりました。